Feeds:
投稿
コメント

負けず嫌い

makezugirai

試合が終わってからどんなに激しく悔しがってもそれは負けず嫌いとは言わないな。負けず嫌いは試合中にそれを表現している。本当の負けず嫌いなら試合が終わった瞬間から次の準備をはじめてるよ。

虫大好きの、子供みたいな大人と大人みたいな子供が集うファーブル昆虫塾。館長の大三郎先生と塾生が書き上げた夏休みの読書にぴったりの昆虫100種紹介読み物が出版されました。

無味感想な学術書と違い、一人一人が気持ちを込めて一種を紹介し、美しい写真とともに虫の魅力を語ります。
IMG_7044
IMG_7045

もちろん情報の正確性も、塾生の名に恥じぬよう推敲で何度も書き直しし、塾のメーリングリストで議論を重ね高めていきました。
IMG_7043

ページの幕間のマンガストーリーも、ファーブル昆虫塾の日常を描き、虫屋さんの妙な会話を楽しめます。
IMG_7041

息子くんはキアゲハを担当。昨年夏の小さなストーリーを彼なりの言葉で紡ぎました。
IMG_7042

本屋さんで見かけたらぜひ手にとってページを開いてみてください。虫の魅力が溢れ出してきますよ!

『虫屋さんの百人一種 』
出版社: 出版芸術社
発売日: 2015/7/16

(Amazonの紹介テキスト)
○内容紹介
虫屋と呼ばれる本当の虫好きの人々が選ぶ、日本の名昆虫100種!! 豊富な知識と愛とをもって、昆虫の見所をあますところなく熱く語る! 美しい生体写真を使った100通りのレイアウトで、見応えのあるいまだ見たことのない昆虫本。128ページフルカラー!

○著者について
フランスの博物学者アンリ・ファーブルをひとつの理想像として、現代の日本の子どもたちを中心に、自然 に対する健全な感覚を養い育てることを目的としたNPO 団体。仏文学者奥本大三郎氏を理事長に、ファー ブル昆虫館の運営や昆虫塾主宰など、様々な活動を行っている。本作品は、会として初めての著作。

  

親より信頼しているドクターから言われたそうな。

怪我はほぼ治っている。但しまだ負荷には耐えられない。ボール触ってもいいけど、負荷は50%まで。対人はだめ。試合形式もNG。まずはジョギングから。完全解禁は来週診察してから。

それでも天に昇るほど嬉しかったそうな。

怪我をする子はスタメンでは使えないと、所属チームのコーチからアドバイスをもらった。

怪我の不安、仲間に置いていかれる焦燥感。リハビリで試されるのは、ふくらはぎ、気持ちの強さだけでなく、セルフプロデュース力。

焦らずにしっかりとがんばれ。

2015.7.4 東京23FC 1-4 つくばFC→後半残り15分→3点差から5-4奇跡の大逆転劇。試合直後の実況コメント。

新体制発表会で羽中田昌監督が、夢中になってしまうようなサポーターをひとりでも多く作りたいと言っていました。

今日はまさにその、こんな不安定な大変な試合を、こんな不安定な天気の中で、(たくさんのお客さんが)わざわざ江戸陸に来てくれて、サポーターの一人として嬉しく思っています。

そしてお客さんひとりひとりも、最後まで応援してくれて、(選手たちも)試合の中で希望というものを表現してくれたんだと思います。23の選手たちは、それを試合の中でサポーターに伝えてくれた。

こういうこと、こういう共感を、夢中になれる瞬間というのを、いくつ作るかというのが、クラブチームとしての成長なんだと思うんですね。
今日の逆転劇を見たこどもたちは、おそらくこの日の夜のことは忘れないと思います。自分でサッカーをやっている小学生のこどもたちもたくさんいます。

その子たちは、4点先に取られたとしても、多分今日の試合を見た子たちは、必ず5点取って逆転できることがあるはずだと、心のなかにかけらが残っています。そういう子たちは必ず強くなります。今日23の選手たちは、子どもたちに、そういう大きな希望の種を植えてくれたんだと、僕は思います。

途中で一瞬試合を投げようかな、放送するのを止めようかと思ったときも、正直ありましたけど、選手たちからまた今日もたくさんのことを教わった実況隊です。

江戸陸に魔法がかかった夜。

肉ばなれ

 
息子くん、JYのスタメンが目標で彼なりにリーグ開幕に向けて、負荷をかけてきた。

ちょうど3週間前、学年上とTRMをしてるとき、左ふくらはぎに激痛。肉ばなれ。
Jr時代からお世話になっているドクターに診断していただき全治3週間。
今週からやっとリハビリ開始。まずは歩くところから。また一からやり直しだけど、大事なことを学びました。
怪我もサッカーの一部ですね。

石神井公園で充電中

 
上手くいったりいかなかったり、日々いろいろあるけれど、我が家の原点、帰るところは石神井公園です。

ママは井の市というお祭りのお手伝い。おれと息子くんは涼しくなってからジョギング。

久しぶりに息子くんが付き合ってくれたけど、速すぎてついていけない。あっという間に見えなくなりました。

帰りは三宝寺池でクールダウン。珍しい蝶を探しながら、散歩を楽しみました。公園の夕暮れの色合いは、我が家の宝物です。

しっかり充電できました。
   
           

IMG_6253

「最後の晩は、シャムの家族呼んで食事でもしますか?」

吉澤さんの提案で、シャムの奥さんと子供が来てくれることになった。採集中の会話で、シャムに二人の小さな子供がいるのは知っていた。家族構成がうちと似ているので、ぜひ家族トークをしてみたかった。異文化のムスリムファミリーの日常とおれらの生活がどれくらい違うのか?同じなのか?

ランカウイ滞在中、夜はほとんど入り浸っていたマレーシア風中華料理屋台も今日が最後。名残惜しい気持ちで先に飲み物を飲んでたら、シャム家族がやってきた。二人の兄妹はオシャレをして、スカーフを巻いたママと手をつないでやってきた。

はじめましての握手をして席に座る。兄妹が英語で自己紹介してくれた。たどたどしい日本語で挨拶も。吉澤さんは自分の孫みたいに喜んだ。上機嫌で子供たちの好きそうなメニューを店員さんに頼んでいた。

挨拶が終わると、兄妹ともに緊張気味で無言。場を和らげようと話しかけたが、うまく言葉が伝わらない。おれが片言の英語で話しかけると、ママは英語が話せるみたいで、マレー語にして子供たちに伝えてくれる。でもちょっともどかしい。

さて、どうしようかな。

持っていたボールペンで、なんとなく紙ナプキンにイタズラ描きをしてたら、お兄ちゃんがじっと見てた。

そうだ!

(おれの)息子くんが小さい頃、せがまれてよく描いたウルトラマンを描いてみた。

お兄ちゃんが身を乗り出して叫ぶ。
「アルトゥーメン!」
「知ってるの?」とおれ。
「毎週ミテル」とシャム。

マレーシアでも日本のヒーローは放送されていて、たくさんの人類を救っているようだ。この手があったか!

別のナプキンに、今度はドラえもんを描いた。これも大当たり。

おれがママと二人でドラえもんの主題歌を日本語で歌ったら、子供たちもマレー語で歌ってくれた。

(うちの)息子くんは、遠い異国の食堂にまで来て、大きな声でアニメソングを歌う親を、勘弁してくれよという他人顔で見ていたが、恥じらいよりも大事なものがあるのだよ。息子くんよ。

今度はママがナプキンを折り紙にして鶴を折った。子供たちは目を丸くして大騒ぎ。おれはトンボ飛行機を折ってみると、お兄ちゃんが手に取って飛ばす真似をしてくれた。魔法使いになった気分だった。

我が家にとってムスリムの友達ははじめてなので、生活習慣、仕事、遊び、食べ物など、彼らの生活に興味津々だった。朝起きてから寝るまでの一日、一週間の生活パターン、子供たちの学校など、なんでもかんでも話し、日本と比べて、違うんだねーとか、同じだねーとか、くだらないほど普通の話で盛り上がった。

ママスもすっかり意気投合した頃、うちのママが唐突にランカウイのママにお願いをした。ムスリム風にスカーフを巻いてみたいと。

「やめなよ。やめときなよ、怒られるよ」と息子くんが止めに入る。

彼もスカーフには宗教的な意味があるのをわかっていたのか、相当なしつこさで制止した。

それでもママはあきらめない。息子くんの倍以上のしつこさでお願いをし倒し、あらかじめ買っておいたスカーフを取り出すと、数分後には我が家のマレーシア現地妻が誕生した。

IMG_6261

息子くんはトイレのふりをして席を外してしまった。逃げやがりました。

蝶づくしの旅の最後の最後に、国際交流的なことがてきて、素晴らしい経験になりました。息子くんも少しは見聞が広まったか。それとも両親の馬鹿さ加減に呆れ果てたか。

あっという間に時間は過ぎ、みんな並んで記念写真。ランカウイの最後の夜が終わった。

楽しかったな。

IMG_6255

翌朝。

空港行きのバスに荷物を載せて、ホテルの入口でガイドのシャムさんとお別れする。

「Terimakasih(テリマカシィ)」

おれが言うと、シャムさんは笑いながら手を出した。

「Sama-sama(サマサマ)」

固い握手を交わした。

おれが唯一覚えたマレー語。旅の途中で何度も、何度も使った。使う度に笑顔が出現する魔法の呪文だ。

息子くんが来る。

「パパ、なんて言ったの?」
「ありがとうって」
「シャムさん、何だって?」
「どういたしましてって」
「ふーん」

息子くんはそのままシャムのところに行く。ちゃっかりお土産を貰ってきた。サッカーマレーシア代表チームのトレーニングシャツだ。

シャムは昨日の食事会で、高校まで地元のサッカーの選手だったことを話していた。センターフォワードだったとか。マレーシアはまだワールドカップに出場したことないけど、地元の人にとっては大事な誇りだと言っていた。

IMG_6297

「では、行きますか?」

吉澤さんが腕時計を見ながら、おれらをバスに促した。鞄から航空券を取り出し、渡してくれた。バスに乗り込み窓から手を振る。

エンジンが唸る。シャムが小さくなる。バスはホテルのエントランスを離れ、空港への幹線道路に合流し、加速する。

冷房の効いた車内から、通り過ぎていく道路脇の林を窓越しに眺める。

軽い疲労と帰国の安堵。日常に戻る虚無と、オビクジャクアゲハを採り逃がした落胆。未知を体験した高揚。気づきの多かった旅。

うちの息子くんはほんとに虫に救われたな。

虫との出会いが、知識との出会いになり、人との出会いにつながった。頑なだった我が家の視座に、やわらかなバランスを取り戻してくれた。

ランカウイは息子くんにとっては幼年期の卒業式だったと思う。

ここで見つけたこと、気づいたことが、彼の大人への大きな布石になることを祈る。

もっともっと息子くんの好奇心が正しい方向に伸びて、彼の自然な素の生き方を抱擁してくれる人や環境に出会えますように。

それにしても。
あのオビクジャクアゲハ。

いつかあいつをこの手で捕り、この旅の記憶を標本にして、部屋に飾りたい。思い出の栞にしたい。

バスの中で吉澤さんにそう話すと、嬉しそうな顔をして笑った。

「そうですか、悔しかったですか?そっか、そっか」

窓から遠くに黒い蝶の影が飛んでるのが見えた。一瞬ドキっとする。あれ?もしかしたら、おれは蝶が好きになってしまったのか?

また来よう。

シャムにマレー語で“さよなら”を教わるのはその時でいいや。

(おわり)

IMG_6312