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Archive for 2014年6月

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「あんた、なんでそんな早く学校行くの?」

ママがとんがった口で聞く。

息子くんが朝ごはんを食べながら答える。

「ボール早い者勝ちなんだよ。早く行かないと、取られるんだよ」

食べ終えるとすぐ、ばたばたとランドセルを背負って、玄関にダッシュ。

「行ってきまーす!」
「あんたっ!洗濯もの片付けなさい!」
「っ、さーせんっ!」

ドアがばたんと閉まる。

ママの放った毒矢は、息子くんに突き刺さることなく、途中の廊下にポトリと落ちた。

部屋が静かになった。

おれと奥さんは顔を見合わせて笑う。

「何をあんなに急いでるの?」
「朝サッカーなんだって。やりたい子はみんな集まってるみたいよ」

小学校の登校時間はルールで決められていて、それまでは校舎に入れない。しかし、ブラスバンドクラブは特例として体育館で朝練をしているので、校門は早くから開いている。

そこに目をつけた息子くんたちは、先生に交渉して、教室に入らないことを条件に、ランドセルを校庭に置いたまま、早朝のサッカーを楽しんでるのだ。

はじめは数人で蹴っていた早朝サッカーも、すぐに噂が広まり、他のクラスや下級生のサッカー小僧も集まりはじめた。

ボールはドッチボールで使うビニールの軽く柔らかいもの。サッカーを習ってる子も、そうでない子も、怪我なくゲームを楽しめる。予想外の変化球を楽しめるのも人気だ。

遊びの球蹴りとはいえ、駆け引きのおもしろさは十分味わえるらしく、子供たちはますます夢中になり、早起きになった。

週末、おれが一人で、石神井公園をジョギングしていたら、息子くんの同級生がお父さんと芝生でリフティングをしていた。

この子は野球が大好きで、近隣のクラブチームで本格的に活動をしているのだが、朝サッカーが楽しすぎてボールタッチの練習を始めたらしい。

朝の参加メンバーを聞くと、学校のサッカー少年団の子もいれば、クラブチーム、野球部、スイミングクラブ、塾のガリ勉組、何もしてない子など多種多様。

ただ楽しく蹴りたい子が、朝のひと時を球蹴りに集まる。

多いときは、敵味方20人対20人になることもある。

ビブスも着けず、みんな普段着で、よく敵味方がわかるな?と聞いたら、

「だからパス出す前にちゃんと見ないといけないんだよー」

と答えやがった。

準備の行き届いた環境のなかで、プロのコーチから「顔をあげろ!」「視野を確保!」ときちんと指導されるのも大事だが、こうやって自分で気づくのはもっと大事。

「楽しいのが一番!それが大事!」

クラブのコーチも言っていたっけ。

今時、こんな自由を認めてくれる小学校の先生に感謝だな。

今朝も校庭から大きな声が聞こえる。

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