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Archive for 2010年8月

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乗鞍高原の朝は寒かった。朝4:30に起床し、朝食を食べて、準備を整える。6時半に民宿を出て、スタート会場へと向かう。

4000人を超える選手たちがロードバイクを片手に、空の向こうの白い山頂を凝視していた。あっ、あれが乗鞍岳?あそこまで行くの?登るの?まじで?スタート直前になってことの重大さを実感する。

時間はたんたんと容赦なく過ぎていく。押し出されるようにあっという間にスタート。登り坂なのにみんな凄い速さだ。軽く勢いに飲まれながらも、自分のペースを探す。心拍計とスピートメーター、前後の選手で似たような体力のヤツ。

早いヤツ、遅いヤツ、危ないヤツ、うるさいヤツらに囲まれつつも、背中に小さなカエルのイラストが描いてあるおじさんをペースメーカーした。以後カエルくんと呼ぶ。

カエルくんはオレよりも少しペースが遅い。後ろを走ると時間はかかるが楽に距離をすすめることができる。今回の目標は完走だ!タイムはどうでもいい。わずかな体力を少しずつ搾り出し、山頂にたどり着けさえすれば勝利。

カエルくんとオレのランデブーに仲間が加わった。黒い猫のジャージを着たヤツだ。以後黒猫君と呼ぶ。CP1まではこの3人がつかず離れずクランクを回す。心拍は168。呼吸が荒くならない楽な心拍域で距離と標高を稼ぐ。

CP1を過ぎると斜度がきつくなり、つづら折りがはじまる。カエルくんがここらでペースダウン。オレの前輪との間が急に縮まり、回復する見込みがなさそうなので捨てることにした。Au revoir!カエルくん、いままでありがとう。黒猫はこの後、ペースアップしやがって、オレを置き去りにした。くそ。

心拍171でキープ。止まりそうで止まらないクランク。でも足はつかずになんとか前に進んでる。オレにしては上出来だ。カーブの度に大回りして、斜度の緩いコースを選び、とにかく我慢する。止まらなければOK。時速7kmでも前に行けばゴールは近づくのだ。

数も忘れるほどのつづら折りのあとCP2が見えてきた。紙コップのアクエリアスを飲み干し、コップを投げると、また坂道が続く。このあたりで足の異和感がではじめた。来た!やってきたぞ。

止まらなければいいという目標と、細脚から発せられるささやかな悲鳴のような異和感。無理をすればリタイア。足の痙攣をいかに騙しつつ、クランクを回し続けられるか。ぎりぎり軽めの負荷にして、脚の文句を出させないようにする。

すると、後ろから六甲おろしの歌が聞こえてきた。阪神タイガースのあの歌だ。縦縞の虎のジャージを着て、阪神の旗をはためかしながら横をすぎる。続いて、セーラー服&ミニスカートのおっさん選手がオレを抜き、とどめにママチャリが抜いていった。

あまりのショックにペースを乱し、ダンシングで速度を維持しようとしたとき左脚が痙攣をはじめた。くそ!やられた!

自転車を降り、脚のストレッチをする。収縮しようとする筋肉を無理やり伸ばし話しをつける。数分後、微弱な痙攣が残るまま、時間を無駄にしたくないので歩き始める。2つ、3つつづら折りを曲がると脚が楽になってきたので、跨って走り始める。うん、大丈夫そうだ。

パワージェルを補給する。黒糖味のジャム風なものを胃に流し込む。

残り3kmの看板を見つけて勇気を取り戻す。坂の上を見上げると遥か頭上に斜めに走る線が見え、そこを蟻の行列のように自転車が進んでいく。後ろを見れば、オレの遥か後ろを同じような色鮮やかな蟻の行列が、山の麓まで続いている。

まるで巡礼者だ。乗鞍の頂き、天空をめざす巡礼者だ。

4km、3km、2km。看板が少しずつ距離を減らしていく。1kmがこんなに長いとは…。

あと1km。この道が終われば、オレは今年最大の目標を達成するのだ!

最後の力を振り絞り、両腿の付け根の痛みを我慢し、両脚の筋肉の悲鳴を無視し、とにかくクランクを回すだけ。

そして、なんのアーチもない、地味な緑の線を踏み越えて、オレのレースが終わった。

完走だ!

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2007年4月にはじめた自転車通勤。
あれから19,674km走った。

気晴らしで乗りはじめたロードバイクが、とうとう乗鞍のヒルクライムにチャレンジするところまで来た。乗鞍高原の標高1460mをスタートし、山頂の鶴ヶ池2720mまで20.5km、標高差1260mを登るのだ。

朝5:00に家を出て上石神井の駅へ向かう。階段を登ろうとしたその瞬間、5合目あたりに人が倒れていた。太った体を階段のステップの幅におさめ、気持よさ気に眠っている。これは明日のオレの姿なのだろうか?山頂からの比率でいうとちょうど第1チェックポイントあたりだ。予知夢にしては不吉なメッセージだ。ありがとう、神様。でもオレは負けないぜ。

山手通りでひごっちの車に合流し、哲さんを乗せて、一路長野へと走りだす。ユーミンの歌う中央フリーウェイとは違い渋滞に巻き込まれながらも、山梨に入ってからは風のように走るMPVだった。

途中、わさび園により蕎麦を食べて、乗鞍高原へと車を走らせる。山道に入り景色が変わるが、期待していたほど涼しくならない。

大会会場に到着し前日のエントリーを済ませる。協賛各社のブースを物色し、ほしかったサイクリングキャップをゲット!早めに宿へ帰る。

宿の窓から見える神々しい夕暮れの景色。時々刻々と変化する光のスペクタクルに言葉を失う。

来てよかったよ。

さあ、明日は経験したことのない未知のヒルクライムだ。
オレはどうなるのだろうか?

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昨日はチームの練習があった。あの暑い中の午後練だ。ランニングの専門コーチによる走り方の指導と練習試合が予定されていた。

夏休みが終わり、他のメンバーより先に学校が始まった息子くん。初日から5時間授業のため練習には参加できず。

練習を休むときは自分でコーチに電話するのがルールだが、前日できなかったので事後報告として、電話をかける息子くん。練習に行けなかった理由を話し、練習試合の結果を聞き、今週末は行けます!と言っていた。

受話器を片手にうなづいたり、質問したり、練習試合の結果(全勝)に喜んだり、すでにコーチとチームが第2のファミリーになりつつある。コーチもとくに親に代わってほしいということもなく、コーチと息子くんだけで話しは完結していく。

サッカーをやるのは息子くんだ。

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先日twitterで活版印刷の思い出をつぶやいたら、いろんな方からRTがあったので個人的メモとしてまとめておきます。

—–

大学を卒業して最初に働きはじめたのが老舗の活版印刷会社だった。そのときに教えていただいた活版印刷の工程を記憶をたよりにつぶやいてみる。
posted at 20:55:03

新入社員の研修で活版印刷の作業場に入った。インキの匂いのする織物工場という感じ。木造の建物のなかに傾斜のついた本棚が並んでいるようだった。
posted at 21:01:51

本棚の前で職人さんが紙の束を片手に金属片をつまんでいた。棚には金属片が規則的に並んでいた。枠には漢和辞典の目次のような部首が書いてあった。
posted at 21:32:28

紙の束は肉筆の原稿。のぞいてみたけど字が汚くて読めなかった。この先生はきたねぇからおれしかよめねぇよと、職人さんが笑った。
posted at 21:37:10

金属片は活字のもと、字母というそうだ。原稿に合わせてひとつひとつ拾ってく。それを小さな木枠のなかに並べていく。
posted at 21:42:05

木枠をゲラと呼ぶ。字母の隙間に薄い金属の板をさしこみ固定する。この仮組みしたゲラをもとに試し刷りをしたものをゲラ刷りといっていた。
posted at 21:46:59

ゲラ刷りは著者に渡され間違いがないか校正される。戻ってきた校正をもとにゲラを修正、再度試し刷りをし修正を確認してもらう。
posted at 21:51:23

ゲラが完成したら紙型をとる。ゲラと分厚い紙を重ねてプレス機に入れて圧着。紙に字母の形の凹みができる。
posted at 21:56:39

字母の形に凹んだ紙型に溶けた鉛を流しこんで、板状の版ができあがる。1ページ分の活版が完成。
posted at 22:01:27

この版を集めて、折りに合うように配置し印刷をする。活版印刷の文字は目にやさしく美しい。今でも好きです。
posted at 22:07:23

僕のいた印刷所では、一度ゲラに組んだ字母はすべて廃棄してた。一度紙型をとると文字に鋭さがなくなるそうだ。溶かして新しい字母に生まれ変わる。
posted at 22:10:46

昔は活字で印刷するのは大変だった。だから文章が活字になると興奮したし、嬉しかったんだろうな。
posted at 22:16:18

新入社員の僕らに、活版のしくみを目を細めて、嬉しそうに教えてくれた職人さん。今でもおぼえてる。あれからすぐ電算写植とオフセットにおされて、工場は閉じられた。
posted at 22:29:09

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オープニングアクトはラキタ。剥げたストラトを抱えてひとり弾き語り。ゆるいチューニングと何語だかわからない歌詞で不思議な空間を作り出していた。

ビートモーターズは、アクセル踏みっぱなしのエンジンが爆音を鳴らすようなサウンド。音の塊が鼓膜を塞ぐ。

さて、Tobaccojuice。

メジャーからインディーズに戻り、ニューアルバム”どこまでも行けるさ”を自主制作でリリース、全国ツアーも手弁当でこなした彼らだが、音はいままでの憂いを感じさせる楽曲は少なく、やんちゃで元気な歌が並んでいた。変わったなあ…というの第一印象だった。

ライブで彼らの音がどう変わったのか?

何も変わってなかった。オレの好きなタバコだった。衣装も気持ちも普段着な彼らが音を出したとき、先に出演していた2バンドにはない、独特の揺れるリズムが紅布に満ちた。客は思い思いの踊り方でリズムを味わい、音の隙間に遊び、完成度の高いメロディーとアンサンブルを楽しんだ。

2杯目のお酒をビールからジンライムに替えて、一口ずつ飲みながらトシマサの歌やMCを聞いた。リラックスした最高な気分だった。

平日の夜、仕事帰りに、夢の世界へ寄り道してから家に帰った。

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さて。

いよいよ今週末となってしまった。

坂ははっきり言って嫌いだ。下りはいい。でも上りはいやだ。どんなに足を回してもちっとも加速しないし、呼吸はつらい、心臓は喉まででてくる、体中が痛くなる、足は痙攣。この世の嫌なものを全部集めると坂になる。そんな坂を好き好んで登る人たちがいる。坂バカと言われる人だ。

毎年、佐渡に行っているひごっちが「どーせ当たらないから、申し込むだけお願い!」というので気楽に申し込んだ。その結果がこうだ。なんでこんなときばっかり、オレは運がいいのだろう?

ということで、どーせひごっちは今年から坂バカになるだろうし、来年もヒルクライムイベントに出たがるだろうから、嫌いだけどオレなりに頑張ろう。

まったく、ほんと。坂なんて大嫌いだ!

全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍(大会公式HP)

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息子くんが沼津合宿から帰ってきました。親元を離れて2泊3日、普段話すこともないU-12やU-10のお兄さんたちと生活や練習をともにし、緊張感もあるなか、刺激的な時間を過ごしたようです。

帰宅して感想を聞くと、言葉を探したまま固まる息子くん。経験が濃密なためすぐに説明できなかったようで、「夜暑くて寝られなかったけど、○○くん(上級生)がおもしろい話しをしたのでウケた」と、わかったようなわからないような答えでした。

合宿の記事がクラブのブログにありましたのでペタリ。

沼津合宿、一日目
沼津合宿、二日目
沼津合宿、最終日

4月にはじめた学校のチーム、7月から入会したクラブチーム。どちらも地域に根ざすサッカーチームですが、コンセプトは大きく違います。この数カ月に気づいた違いをメモしておきます。

○こどもたち

学校チームは、各クラスのサッカー好きっ子が集まったチーム。お互い顔も名前も知ってる子が多い。上手い子は数人、あとはどんぐり。ふざけながらも楽しくサッカーやって教室でもお友達!

クラブチームは、学校も住んでる地域もまったく違う。コーチの指導コンセプトに共感して、世田谷や品川から越境して練習に来てる子も多い。子どもたちの意欲は高く、上手くなりたいという気持ちはびしびし伝わる。実際上手いか、速いか、強いか、賢いか、何かしら特徴を持ってる子が多い。年齢は関係なく、お互いを呼び捨てにして、サッカーをしてるときの真剣度は非常に高い。仲間になるためには、いくつか自分の殻を破る必要がある。

○コーチ

学校チームは、指導者というよりも学童保育サッカー部という立ち位置。放課後や週末、子どもたちにいかに楽しくサッカーをさせるかを基本に、それほど細かいことは言わない。

クラブチームは、技術的な指導は相当細かい。それも教え込むのではなく、子どもたちに自ら考えさせる機会(舞台、環境)をつくろうと工夫してる。コーチ一人ひとりも専業の方で、日々さまざまなクラブで指導し、自らもコーチングスクールなどで勉強をされてる。

○指導コンセプト

学校チーム…楽しく時間を過ごす。そのための練習を行う。練習は学校サッカーでよく経験するスタンダードな練習が多い。

クラブチーム…各年代ごとにチームの理想スタイルをコーチはイメージしているようだ。そのために必要なボールを扱う技術、体の向き、視野、考え方を、実践的な状況を作って反復練習する。技術だけでなく、強い人間性作りを重視している。サッカーを通じて自立した大人になるための教育という感じ。中学を卒業して高校やクラブチームに入ったとき、基礎のできた選手として活躍できる子どもになれるよう育てたいと言っていた。

○練習

学校チーム…学生時代にサッカー部がやっていた練習。

クラブチーム…実戦を想定した複合的な練習。考えていないとあっというまに止まってしまう。見ている方も楽しい。オシムさんのサッカーの指導と根本的に通じるものが多い。1時間半があっという間。

○試合

学校チーム…月に一度あるかないか。遠征はほとんどない。ホームの小学校に近隣のチームが来る。

クラブチーム…ほぼ毎週。遠征も多く、神奈川や茨城など他県の強豪クラブチームとの試合も多い。試合ごとに必ず目的があり、コーチと話し合いながら、試合をこなしている。遠征はいつものグランドに集まればそこからチームバスがでる。でない場合は親が連れて行く。

○連絡

学校チーム…予定表が配られる。当日の変更はグランドに出てみてはじめてわかる。

クラブチーム…携帯メールと専用BBS、変更は随時連絡される。

○親たち

学校チーム…コーチに子供を預けて遊ばせてもらう感じ。あまり面倒な仕事はない。親同士のつながりもあまりない。

クラブチーム…クラブのコンセプトを中心に、コーチと子どもたち、親たちが協力してチームを育てる感じ。クラブの予定が家庭のあらゆる予定に優先されるようになる(もちろん学校は最優先です)。うちの場合はこどもが入会したというより、家族全員が入会した気分。古い野球部にあるような、親が雑用を分担、強制されることはないが、率先してサポートする感じ。

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